鍼灸の全身治療ってどんな感じ?鍼灸師が解説します。

鍼灸の全身治療ってどんな感じ?鍼灸師が解説します。

 

鍼灸では「全身治療」という言葉をよく聞きますが、よく分からない方も多いのではないでしょうか。

 

本日はこちらの「全身治療ってどんなことを言うの?」について解説します。

鍼灸における全身治療の考え方

鍼灸治療では、東洋医学的な観点でカラダを診ていきます。

西洋医学はその症状のみに注目をすることが多いのに対して、東洋医学は病気はもちろんのこと、症状も含めたカラダ全体に目を向けていきます。

 

例えば風邪の症状がある場合、西洋医学では咳がひどければ、咳を止める、熱があれば熱を下げる薬を処方され「また一週間後に様子を見てきてください」といったケースが多いです。

一方の東洋医学では、風邪の症状のみで見るのではなく、日々の生活習慣、胃腸の調子、手足の冷えなど、症状とは一見関係のなさそうにも見える、カラダ全体や体質などから探っていきます。

 

カラダのバランスの乱れや崩れを見つけ、上記のケースであれば風邪の症状を起こしている原因を明らかにしたい、と言う意図があります。

鍼灸治療が、肩こりやめまいなどの慢性的な症状に効果を発揮しやすいのは、このためです。

 

反対に、検査で原因が明確になるものは西洋医学が優れているとも考えられます。

 

全身治療では具体的に何をみるの?

東洋医学的な観点で鍼灸を行う際は「問診(もんしん)」「望診(ぼうしん)」「切診(せっしん)」「聞診(ぶんしん)」という4つの診察方法を用います。

漢字だけ見ても分からないものも多いと思いますので、それぞれを解説していきますね。

 

①自覚症状で判断する問診(もんしん)

今ある症状や体質などを、患者様にお聞きしながら把握するのが問診です。

 

こちらは西洋医学も同じですね。

現在の病気にかかった時期や、これまでにかかったことのある病気なども確認していきます。

 

本人の自覚症状を重視する東洋医学では、とても大切な情報です。

さらに症状によっては、お仕事の量や、睡眠時間、お通じの状態、冷えの有無、女性であれば月経の状態など、一見現在ある症状とは関係のないと思われるようなところまで確認させていただくこともあります。

 

なぜなら、症状の背景にある環境も含めて知ることで、より良い治療法や洋上の方法を正確にお伝えすることができるからです。

 

②外見で判断する望診(ぼうしん)

患者様のみためを元に判断をすることを望診と言います。

顔色や表情、体型、姿勢、患部の状態などもチェックします。

 

舌の状態を拝見することも多いのですが、そちらは「舌診(ぜっしん)」と言います。舌の色が薄い白っぽい状態は、カラダが冷えている傾向と考えられ、赤っぽい色の場合はカラダに熱がこもっていると考えられています。

 

こちらは例ですが、舌の状態だけでもカラダの状態を把握でき、患者様がセルフチェックできるのがメリットです。

 

初めて治療した日の印象と数日後に再び治療した時の印象の違いは、治療の効果が出ているかどうかを判断するためにはとても大切な情報となります。

 

③触れて診察をする切診(せっしん)

直接カラダに触れて診察をすることは西洋医学でも行われていますが、こちらを切診といいます。

そのうち、お腹を触れて患者様の反応をみるのを腹診(ふくしん)、左右の脈をみることを脈診(みゃくしん)、首の筋肉の緊張度合いをみるのを首診(くびしん)といいます。

 

腹診はお腹を押してみて、痛みや硬さがあるか否かでカラダの状態を調べていきます。

 

脈診は、両手首の脈をふれカラダの状態を確認していきます。脈の早さや強弱、ふれやすさなどをみています。

 

6カ所の脈から各臓器の状態を確認することができますが、非常に熟練された技術が必要です。

 

首診は、首の筋肉を4分割に分けて緊張度合いをみます。鍼を打つツボを決める判断材料になります。

 

④音や臭いから診察する聞診(ぶんしん)

声の調子など、カラダから発する音を耳で聞いたり、体臭などの臭いから診察することを聞診といいます。

 

耳では声のほかにお腹の音や呼吸の感じなどを聞きます。

話をあまりしない、もしくは必要以上にたくさん喋る、ということから精神状態みることもありますし、声が大きい人は元気のいい、声の小さい人は弱々しいというイメージもあります。

 

こちらの情報だけで全てを判断をすることはありませんが、治療方針を考えるためには貴重な情報です。

 

現代の血液検査など、カラダの内側の情報が得られなかった時代からある東洋医学の特徴でもあります。

 

口臭や体臭からは、口腔内の異常や消化器器官の不調などを推測することができます。

まとめ

こちらで紹介したものが、東洋医学の診察です。
視覚、触覚、聴覚、嗅覚を動員し診察を行います。

鍼灸で全身治療を行なっていくために、このようにして患者様のカラダの状態を把握し、治療方針を立てています。

 

情報は少ないよりも、より多く得られたほうが、効果的な全身治療が行えますので、治療を受ける際には「こんなこと言っても良いのかな?」というものも、ぜひ遠慮なくお伝えください。

 

治療を検討されている方の、少しでも参考になれば幸いです。

鍼灸治療についてカテゴリの最新記事