鍼灸でいう「ツボ」ってなに?鍼灸師が解説します。

鍼灸でいう「ツボ」ってなに?鍼灸師が解説します。

鍼灸でいう「ツボ」って要するに何ですか?

こちらも治療に来られた方からの質問で、非常に多いものの一つ。

今日はこちらに関して解説していきます。

 

鍼灸でいう「ツボ」とは?

こちらは東洋医学独自の考えかたで、ツボのことを「経穴(けいけつ)」、ツボが配置されている経路のことを「経絡(けいらく)」と言います。

 

全身に張り巡らされた経絡は、カラダの奥深い部分から、表皮に近い浅い部分まで、さまざまなところを通っています。

 

そこの経路を東洋医学でいう「気(き)」や「血(ち)」が巡る通路です。

 

気や血の概念はまた後ほどに。

 

そして、その経絡のところどころに俗にいう、ツボ(経穴)が存在します。

 

ツボは実際に皮膚に穴が空いているわけではないのですが、経絡を通っている気は、鍼やお灸による刺激によりカラダを出入りすると言われています。

 

ツボを刺激すると、その刺激が経絡まで伝わり、気や血の流れがよくなります。

 

気や血の流れは経絡を伝わって、そのさきにある臓器に伝わります。

 

逆に、気や血の流れがカラダのどこかで滞ってしまうと、何かしらの変調が起きてしまうということです。

 

気や血がスムーズに流れていくと、臓器の機能が活性化されるので、カラダに不調があっても自然に回復していく、というのが東洋医学的な治療の基本的な考えです。

 

ツボと「気」の関係とは 

 

「気」と聞くとどんなイメージを持たれますか?

 

手からビームが出てるような感じ?それとも感情のことを指す「気持ち」のこと?

 

人によってイメージばらつきがあるかと思いますが、東洋医学では「気」のことを生命活動のエネルギー源であると定義しています。

僕たち、意外と「気」という言葉を日頃から使っています。

 

「この人とはが合うなぁ〜」とか「の知れた仲間」とか「あの人はが利くねぇ」とか。

 

いかがですか?無意識に日常で使っていますよね。

 

東洋医学的に〜なんて言われると敷居が高いようですが、そんなことはなく、意図は違えど非常に身近なものなのです。

 

古代の中国哲学では、あらゆるものは「気」から生まれ、気の動きが生命活動を維持すると考えます。

 

人のカラダの「気」は分布する場所や働きによって、4つに分けられます。

 

元気(げんき)

臓器から皮膚にいたるまで、全身に分布します。

 

4つの気の中でも、一番大切な気です。

 

人のカラダの全ての組織は、元気によって機能して元気が充実すればするほど、健康になるとされます。

 

両親から受け継いだ「先天の精(せんてんのせい)」という生命力の源から変化したもので、生まれたあとは「後天の精(こうてんのせい)」によって生成、補填されるといわれています。

 

「先天の精」とは両親から受け継いだもので「生まれもって携えているスタミナ源」というイメージを持っていただければ理解しやすいです。

 

この先天の精が少ないと、幼児期に小児ぜんそくなどの症状が出ることもあります。

 

生まれ持ったものなので、人によって個人差があるのが特徴です。

 

「後天の精」とは、生まれた後に「自分でつくりだすスタミナ源」です。

 

飲食物など、カラダの外からスタミナ源を取り入れることによって蓄えられます。

 

元気は別名「原気(げんき)」「真気(しんき)」ともいいます。

 

宗気(そうき)

呼吸にてカラダに取り入れられた空気と、飲食物からつくられる高い栄養価が合わさって生成された気のことをいいます。

(高い栄養価のものを「水穀の精微」といいますが、話が難しくなるのでまた別の機会で)

 

こちらの気は、胸中に集まり呼吸と血の運行を推し進める機能があります。

 

営気(えいき)

栄養分の多い気とされており、血管などの脈管系に存在していて「血(けつ)」を押し動かして各臓器に栄養を供給します。

 

常に「血」とともにあることから、両者を合わせて「営血(えいけつ)」ということも。

 

衛気(えいき)

体内から皮膚まで全身に分布しているとされています。

 

4つの気の中で、もっとも動きが早く、とても活発に動きます。

 

カラダの外側である皮膚にも存在し、外からの邪気(体内に入りカラダの不調を引き起こすもの)の侵入を防いでくれます。

 

体温にも作用し、暑い時には汗腺を開き汗を出すことで体温を下げ、寒い時には汗腺を閉じて体温を維持します。

 

4つの気の特徴をまとめたものがこちらです。


※経絡・ツボの教科書から引用

健康の基本は気の流れがスムーズなこと。

 

ツボを使用した鍼灸治療では、気の滞りを改善するというのも狙いの一つです。

 

ツボと血の関係とは

ツボを刺激することで、「血(けつ)」の流れも良くします。

 

東洋医学における「血(けつ)」とは、カラダの各部位に栄養を運ぶ赤い液体です。

 

さほどイメージするのは難しくないかと。なので血が届かないところには栄養が行かないため栄養不足になります。

 

栄養不足になるということは、不足したところがうまく働かなくなってしまいます。

 

血は脈管の中を「営気(えいき)」によって押されて移動し、酸素や栄養素を組織に送り届けます。

 

ここで前述した「気」が関わってくるんですね。

 

血の働きとして大きく2つあります。

 

血は栄養を運ぶ

まず全身に栄養を運びます。血がちゃんと全身に巡っていると顔色は良く、冷えなどの症状も見られず、肌や髪のツヤもあります。

血は特に目や手足と関係が深いため、血が不足すると、目の疲れやかすみがでたり、手足の筋肉がひきつれたりすることも。

不足がないと筋肉の異常もないため、カラダも快適につかえている状態です。

 

血は精神にも影響する

血は意識や精神を正常に保つことにも影響すると、東洋医学ではいわれています。

 

貧血をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

 

血が不足していて、フラフラな状態だと頭を使った作業などは難しいですよね。

 

集中して物事に取り組むことがしづらくなってしまいます。

鍼灸治療によって血流を改善をすることで、血の滞りを改善し、適切な栄養摂取により足りない血を補っていきます。

 

まとめ

ツボとは、気や血が流れる経絡(けいらく)上にあるポイントのことを指し、そちらを鍼灸で治療することによって、滞りや流れを改善し、カラダを健康な状態へと向かわせます。

 

ツボに刺激を与えることで「気」や「血」を改善するので、それぞれの特徴も合わせて解説していきました。

 

少しでも参考になれば幸いです。

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